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RINの書き物置き場。 一部官能物もあるので、18歳未満は見ちゃダメっ!
Posted by - 2017.08.23,Wed
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Posted by RIN - 2012.10.14,Sun
前(嘘とほんとと意地っ張り15)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「琴姉、いや琴音さんの事が好きです。俺は姉さんとしてではなく、一人の女性として昔から大好きだったんだよ。勿論今だって大好きだ。なんで俺が未練たらしく『沢山の男と付き合っている』琴姉と同じ大学を受けると思う?何かしら琴姉と繋がりが欲しかったからだよっ!」

 

雄ちゃんの言葉に体がビクって震える。私のことを女性として見てくれてたんだ…嬉しい、涙が出そうなほど嬉しい。だって告白されてるんだよ?ずっと昔から大好きだった雄ちゃんから…私待ってたんだよ。昔の約束守ってくれるんだね?

「ありがとう、雄ちゃん。ううん、雄二さん。私も貴方のことが、昔からずっと、ず~っと大好きです、愛してます。本当にありがとう。凄く…うれしいです。」

嬉しくて、嬉しすぎて涙があふれてくる。多分今の私の顔は笑ってて、泣いててくしゃくしゃになってて…本当ならとてもじゃないけど雄ちゃんに見せられないような顔だと思う。だけど、こんな幸せな気持ちは初めて。お互いの気持ちが分かって、好きあってるって事がわかって、20年以上の初恋が実ったんだよ?お嫁さんになれるんだよ?嬉しすぎてどうすればいいんだろう?

「だから琴姉…さ。」

「う、うん。」

両肩を掴まれて真剣な顔で見つめられる。これはプ、プロポーズしてくれるの、かな?だよね?

「お、俺と…付き合ってよ。俺の彼女になってよ」

-え?

「嫌よっ」

嫌だ彼女なんて、だって私は…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「嫌よっ」

「-え」

あれ?一世一代の告白を即答で否定された!?嫌なの!?この流れで俺振られるのかよ。ここまでの流れはなんだったんだ?目の前が真っ暗になって混乱してしまう。

「嫌って、そんな-「だって嫌だもん、彼女だけなんて」-え?」

 

・・・・・ん?

 

彼女「だけ」ってどういう事だ?お付き合いするのだから彼氏彼女の関係ではないのか?まさか愛人関係というわけでもあるまいし。

「どゆこと?琴姉は俺と付き合うのは嫌なの?」

 

「違うわ。違うのよ雄ちゃん。いえ、違わないのだけど違うのよ。」

何を言っているんだろう琴姉は。違うけど違わない、違わないけど違う…

「嬉しいのよ?雄ちゃんに告白されて。でもね、嫌なの彼女止まりじゃ。私は雄ちゃんとその先の関係まで行きたいの。だから…」

先…彼女との先?それは彼女→婚約者→夫婦=結婚→離婚…ってこれは違う。結婚?結婚って-っ!?まさか琴姉、ここでプロポーズをさせようとしている?さっきの付き合ってって言うのじゃ物足りない?

「・・・、…琴姉?」

「うん♪」

琴姉はにこにこと、それはそれは心底嬉しそうに微笑んでいる。小悪魔かよ。さっきの告白だって一杯一杯だったのにプロポーズまでさせようとは中々難しいことをおっしゃるね。

そりゃ俺だって最終的には琴姉と結婚したいって思ってるよ?それにさ、琴姉が他の男の物になるなんて考えたくもないし、現にここ数年はそれで散々悩まされてきたわけだけど…うん、ついさっきまで。

 

「そりゃ私も今すぐ結婚できないのは分かってるけど。気持ち的に、よ。だからやり直して?ね、お願い」

いや、本心は嬉しいんだよ俺だって。当たり前だろ?心底好きな女からプロポーズ要求されてるんだから。男として嬉しくないはずがないだろ?ただまぁ…

「格好良くなんて言えないぞ?」

まだガキだし…高校生にプロポーズさせんじゃないよ。

「いいよ。ほら予行演習よ。あ、でも舌はかまないでね?はい、じゃもう一回!」

ほんと簡単に言ってくれる、このね~ちゃんはっ。顔真っ赤にさせてるくせに。

 

「お、おう。…琴姉、琴音さん。俺はまだ…その、まだガキだし、将来もまだ全然決まってないけどさ。琴姉の事絶対、絶対に幸せにしてみせるからさ。」

「うん…」

だから…

「俺と結婚して、ください。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「俺と結婚して、ください。」

~っ!!

「-っ、雄ちゃん…っ!」

「ちょっ、琴ね-っ」

大好きっ!思わず目の前の雄ちゃんを抱きしめてしまう。勢いあまって二人して布団に倒れこんでしまったけど、雄ちゃんの体が私をしっかり支えてくれた。雄ちゃんの言葉に、体に…私の中がすごく熱くなってドキドキしてるのがわかった。

「雄ちゃん!好きぃ…大好きなの…」

あ~雄ちゃん大好き~っ!!

 

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Posted by RIN - 2012.05.24,Thu



前(嘘とほんとと意地っ張り14

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「琴姉?今なんて言った?」

「いや、雄ちゃんこそ何て言ったのかしら?」

ダメ。私の頭が雄ちゃんの言葉を理解できないでいる。ドーテー?道程?同定?dooutei?童貞?

童貞って何?

 

「「・・・・」」

 

えっ?童貞?雄ちゃんが童貞?未経験?

 

「雄ちゃん、相手の子を妊娠させちゃった云々って送ってなかったっけ?」

私の場合は嘘を付いていただけなんだけど…雄ちゃんに合わせて。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「雄ちゃん、相手の子を妊娠させちゃった云々って送ってなかったっけ?」

うっ、痛いところを付いてくる。そりゃあ琴姉、アレですよ。琴姉がどんどん経験して行っちゃってるのに対して、俺だって意地張りたくなっちゃっただけですよ。

 

「いや、ごめん。それ無し。俺女の人とそういう経験したことないし。精々琴姉と昔お風呂入ったくらい。」

それにしても…

「琴姉こそ、メールで二人同時に…とか送ってこなかった?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「琴姉こそ、メールで二人同時に…とか送ってこなかった?」

ふ、二人同時ってどうやってやるのかしら?そんなメール送ったかなぁ?…送ったかも。あうぅ。雄ちゃんのメールに合わせてエスカレートしちゃってたかも。

「ごめんなさい、嘘つきました。わ、私も今まで男の人とお付き合いしたことないの。勿論、そ、そういう経験も無くて…私処女なの。雄ちゃんと手をつないだのが精一杯です。」

 

最低な嘘ついてごめんなさい。でも…なんだろう、私今凄く嬉しくなっちゃってる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ごめんなさい、嘘つきました。わ、私も今まで男の人とお付き合いしたことないの。勿論、そ、そういう経験も無くて…私処女なの。雄ちゃんと手をつないだのが精一杯です。」

 

「嘘じゃ…ないんだね。」

正座したままこくりと頷く琴姉。…だからパジャマの隙間から胸が見えてるってっ!

 

それにしても。

なんか納得が行った。今朝再会してから今までの琴姉の振る舞いと、今までのメールの内容に凄く違和感があったから。でも…やばい。凄く嬉しい。嬉しすぎる。だってさ、変わっちゃったと思ってた大好きだった女性が、昔と同じだったんだよ?

しかもさ、まぁなんだ。

そういう経験もまだしてなくて、俺と同じ状況だったし。自分より相手のほうが進んでいるのが嫌だっていうのは男の見栄とか意地かもしれないけど、実際問題凄くうれしいと思う。

でも…

「うん、なんで琴姉はあんなメール送ってきたの?」

多分最初に送ってきたのは琴姉のほうだと思う。って言うかそうだ。「彼氏できた」みたいなメールを送ってきたんだと思う。なんでああいうメールを送ってきたんだろう?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

「うん、なんで琴姉はあんなメール送ってきたの?」

なんでって、そりゃあ…

「離れて疎遠になっちゃったじゃない?ああいうメール送れば、少しは私のこと気にしてくれるかなとか、途中からは雄ちゃんが経験が進んでるのならそれに釣り合う女っぽく振舞ったほうが良いかな~なんて思ったりしたから、よ」

ちょっと位嫉妬してくれるかなって思ってたのに…全然気にしないで「彼女できた」なんてメール送って来るんだもん。

あれ?

でも、雄ちゃんに結局彼女さんはいなかった訳で、雄ちゃんからのメールの内容も嘘だった訳で…なんで雄ちゃんまで嘘をついていたのかしら?

首をかしげてしまう。雄ちゃんが嘘をついた理由って…

「気にしてくれる、って無茶苦茶気にしてたよっ当たり前だろ。どんどん琴姉が変わって行っちゃうって思って、焦って、悔しくて…」

雄ちゃんが苦しそうに眉をしかめて話す。

「俺は年下で、琴姉にとっては弟みたいなもので…琴姉が俺なんか見向きもしてくれなくなっちゃうんじゃないかって思うと、強がって意地張ってあんなメールしか送れなかったんだよ。」

 

「うん…」

それは居もしない彼氏に嫉妬してくれてたって事かな?そうだよね?だから嘘をついた?

 

あぁそうか。私はすごい勘違いをしてたんだ。私がメールを送ったのは、ただ単に雄ちゃんに嫉妬してもらって、また前みたいな関係に戻りたかっただけ。私の存在を気にして欲しかっただけ。願わくば「そんな奴やめて、俺と付き合えよ!」って言って欲しかったけれど、とにかく雄ちゃんとのつながりが欲しかった。でも、それは雄ちゃんにとっては私が遠くにいってしまうことになってしまってたのね。今だってすごく話しづらそうだもの。

「ごめんなさい、本当にごめんなさい。私のくだらない嘘のせいで雄ちゃんにまですごい迷惑をかけてしまって…」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ごめんなさい、本当にごめんなさい。私のくだらない嘘のせいで雄ちゃんにまですごい迷惑をかけてしまって…」

 

迷惑だなんて…確かにすごい動揺したしショックは受けたけど、結局全部嘘だったわけで、しかもその嘘は俺自身が意地を張り続けてしまったからこそ大きくなってしまった物で。その意地ってのだって、お互いがお互いを想ってたからこそ生まれ出てしまったものだから…

「気にしないでよ。お互い様なんだと思うよ琴姉が嘘ついて、俺がそれにたいして意地張って…それの繰り返しでさ?良かったよ、琴姉が琴姉のままで。それにさ、受験の前に嬉しい真実が分かったのは僥倖だと思う。」

受験勉強中もずっと胸の中でもやもやしていたものが今じゃすっきりしている。だから俺は明日の受験の前に言わなければいけない。せっかくのこのチャンス、無駄にしてはいけない。高校の恩師の口癖「先手必勝後手地獄」を実践しなければいけない。そう…

 

「琴姉、いや琴音さんの事が好きです。俺は姉さんとしてではなく、一人の女性として昔から大好きだったんだよ。勿論今だって大好きだ。なんで俺が未練たらしく『沢山の男と付き合っている』琴姉と同じ大学を受けると思う?何かしら琴姉と繋がりが欲しかったからだよっ!」

そう、伝えなくてはいけない。しっかりと嘘偽りなく自分の言葉で

次(嘘とほんとと意地っ張り16

Posted by RIN - 2012.05.06,Sun
前(嘘とほんとと意地っ張り13

・・・・・・・・・・

後で考えるとこの時が一番のターニングポイントだったんじゃないかって思うの。うん、もしこの事がなければ私たちの関係はどうなってたのだろう?

一頻り雄ちゃんの頬をぷにぷにして堪能して私も自分の部屋に戻ろうと思ったの。最後に昔みたいに額に軽くキスをして…勿論今じゃ結構勇気は必要だったけど、雄ちゃんは寝てるし、ね?

で、顔を近づけたその瞬間に、雄ちゃんの枕元にあった携帯電話が突然なりだしたのよ。

 

ピリリリリッ!ピリリリリッ!

「ひゃっ!?」

・・・・・・・・・・・

思えばこの時くだらない理由で電話をしてきた悪友に心から感謝をしたいと思う。恐らくこの電話が無ければ琴姉と俺の二人がついていた「嘘」と張っていた「意地」と、そして二人が想っていた「ほんと」の気持ちは分からないままだった可能性が高いからだ。

・・・・・・・・・・・

ピリリリリッ!ピリリリリッ!

「ひゃっ!?」

頭上から電子音が響く。これは俺の携帯の着信音だろう。なんか変な声も混じってたけど、

ぱちりと目を開けてみたらそこには琴姉のドアップ…え?

な・ん・で?起きたばかりの頭では思考が追いつかない。いや、追いつくのかもしれないけど、考えたくない。

「あ…お、おはよう雄ちゃん」

「うん、おはよう琴姉…で、これは何が如何してこうなったのかな?」

何普通に挨拶してるのかな?まだこれ夜だよね?

簡潔明瞭に説明して欲しいところだね。ていうかしろ、して下さい。えぇ!サラサラした髪の毛がね、顔に当たっててくすぐったいんだけどねっ!なんでこんなに俺達は接近してるんでしょうかね。

「あ、う、うん。雄ちゃんがちゃんと寝れてるかなぁ、って思って。」

それで何で顔を近づける必要があるんだろう?いや、そもそも男が寝てるところに入るなよそんな無防備な格好でっ…昔俺があげた古いパジャマをなんで今も使ってるのかとかも気になるけど、とりあえず…

「琴姉」

この人は…

「琴姉、正座。」

「はい?」

「正座っ!すぐに!」

ダメだこの人。このままじゃ琴姉のお母さん達に申し訳なさ過ぎる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「正座。すぐに!」

雄ちゃんが怒ってる。多分本気で。そ、そこまで怒らせちゃうような事、私やっちゃった?やってないでしょ?

お互い布団の上で正座で向き合う。なんなのかしらこの構図は。

「琴姉…」

「は、はい!?」

「まさかと思うけどさ、その、まさか、まさかブラジャー着けてないとか言わないよね?」

いきなり何を聞いてくるんだこの雄ちゃんは…女の子に聞くことかな、それ?

「いや、そ、それを答えてどうなるのかな?」

「良いから答えるっ!!」

うわ、そんな大きな声出さないでよっ。ご近所迷惑になっちゃうじゃない。

「つ、着けてないわよ。着けたままじゃ苦しいもん。…別に私と雄ちゃんじゃない。そこまで気にしなくても…問題ないでしょ?」

だって雄ちゃんだもん。いくら大きくなって男の人になったって言っても、雄ちゃんの本質は変わってないわけで、それは私にとって愛おしい雄ちゃんなわけで…

別に他の男の人とかじゃないし。いたらこんな格好…そもそも他の男の人を部屋に上げるとか…寝顔を覗くとか、旦那さんじゃないんだからありえないって!!

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

「つ、着けてないわよ。着けたままじゃ苦しいもん。…別に私と雄ちゃんじゃない。そこまで気にしなくても…問題ないでしょ?」

 

「問題っ…て」

唖然とした。所詮は俺のことを弟と思って接しているだけなのか、それとも誰にでもこういう振る舞いをしてしまうのか。後者だと思う。

 

「琴姉…やっぱり琴姉は変わったよ。いくら昔から微妙に天然でも、こういう事を平気でする人じゃなかったよ。」

いや、認めたくなかっただけなのかもしれない。琴姉が大学に入ってどんどんと変わって行ってしまう事を。どんどん俺を置いていってしまうことを。どす黒い感情が腹の奥からどんどんと溢れ出てくる。イライラがどんどん募る。

「…そんなんだから琴姉はすぐに悪い男にだまされてホイホイとラブホテルとか行っちゃうんだろ?」

だから、ついつい余計な事まで口走ってしまう。これだからガキなんだよ俺は。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「…そんなんだから琴姉はすぐに悪い男にだまされてホイホイとラブホテルとか行っちゃうんだろ?」

な、何を雄ちゃんは言っているのだろう?らぶほてる?悪い男?何の話よ?少なくとも私はそんな変な男について行ったことなんて無いのに。何勝手に決め付けてるのよっ、雄ちゃん相手でも流石にあったま来たっ!

 

「しっつれいねぇっ!私だってそこの所の分別くらい付きますよぉだっ!大体何よラブホテルってぇ!ベッドが回転するのっ?キラキラしてるのっ?そんな所一回も行った事ないわよ!」

私にとって、ラブホテルなんかドラマか小説の中の世界よっ!雄ちゃんでしょそういう所の常連さんは!

「あぁそうかい。じゃあ部屋でズッコンバッコンかいっ!そうだよ!男が誘われてるって思ったらねぇっ、どうなるかなんて琴姉のほうがよく分かってるでしょうが!琴姉は自分の魅力に気づいてないのかよっ!そんなわけねえよなっ!?」

な、な、なんてはしたないっ!雄ちゃんがそんな変態さんだなんて、いえ、そういえば雄ちゃんは毎日女の子を取っ換え引っ換えしてたんだっけ。そんな人と私を一緒にしないで欲しい。私は雄ちゃん一筋なのに。

「そ、そんなわけなくない、あれ?そんな訳ない?違う、そんな訳ある…でしょっ?今まで男の人とか部屋に上げたこと無いしっ!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「嘘だぁっ!」

じゃああのメールは何だというのだ。送ってくるたびに過激な性体験を読まされるこっちの身にもなれって物だ。あんだけ送ってきて今更純情ぶるなんて、な。

・・・・・・・・

「嘘じゃないっ!知らないわよそんな事っ!男の人の、ア、アレなんて雄ちゃんのしか見たこと無いわよ!」

最後に雄ちゃんとお風呂に一緒に入った小学5年生の時だ。象さんというかお稲荷さんだった。今は…どうなってるんだろう?亀さん?

・・・・・・・・

「はぁ?カマトトぶってもだめだぜ琴姉!数ヶ月前なんて男を取っ換え引っ換えだったんだろう?」

最後のほうのメールなんて酷かった。何せ琴姉が数人の男を相手取って女王様プレイとか、卑猥な刺青を彫られてピアスも全身に穴をあけられ、大学のトイレに放置とか…読んでるだけで涙が出てきたものだ。…ん?刺青とかピアスの跡なんて琴姉にあったか?

・・・・・・・・・・・・

「だから違うって言ってるじゃない!そもそも彼氏なんて今まで一人もいないわよ!!男の人を部屋に上げたこともないし、ホテルなんか行ったこともない!!」

当たり前じゃない。雄ちゃん以外の男の人と手だって繋いだことないのに。なんで分からないのよっ!

 

「彼女を取っ換え引っ換えは雄ちゃんのほうでしょうがっ!」

相手の子を妊娠させちゃったってっ!

・・・・・・・・・・

 

「はぁ?俺だって彼女なんていねえよ!」

いたこともねえよっ!琴姉以外に好きになった女もいねえっ!

 

「「今は」でしょっ!」

「「今までも」だよあばずれ野郎っ!どうせ俺はドーテーですよだっ!」

「野郎じゃないもん、私処女だもんっ!!っこの頑固者!…え?」

「そういう問題じゃないだろっ!このあばずれっ!……は?」

 

琴姉の表情が固まる。多分おれ自身の表情も固まってるだろう。二人の時が止まった。完全に止まった。琴姉の言葉を俺の脳みそが正しく認識できていない。

「「・・・・・」」

「ちょっと待とう」

「ええ、ちょっと待ちましょうか?」

「琴姉?今なんて言った?」

俺の耳が壊れていなければ、琴姉はとんでも無いことを言った気がする。処女?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



次(嘘とほんとと意地っ張り15
Posted by RIN - 2012.02.20,Mon
 前(嘘とほんとと意地っ張り12 )

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ、うん、ごめんなさい。つい問題無いかなぁ…って」

この無警戒さに段々とイライラしてくる。何が問題ないかなぁ、だ。問題大有りだろうがっ!琴姉が変わっちゃったというか、これは昔から変わっていないというか。小さいころならともかく、今はそれなりの警戒心くらい持ってくれ。

「あ~もういいよっ!もう出るからそこ退いててっ!お風呂ありがとうっ!もう寝るからっ!」

「う、うん」

ドア越しの気配が無くなる。まったくあんなに隙があるから変な男と付き合っちゃうんだろう。そっと風呂場から脱衣所に顔を出して、琴姉が視界にいないことを確認。すばやく着替える…って、あ。

「着替え…」

忘れたと思ったのにしっかりと籠に入っている。

「持ってきてくれてたのか」

少し悪い事をしてしまったかな?

リビングまで戻ると、そこに琴姉はいなかった。可愛らしい字と微妙にポップなイラストで書置きがしてあった。

『ごみ捨てに行ってきます。ついでに明日のお昼ご飯の材料も買ってきますね。雄ちゃんは先に寝ててください、もうお布団敷いてあります…あと、さっきはごめんなさい。』

「寝ててください、か。そういえば俺はどこで寝ればいいんだ?」

2LDKだから、空いてるもう一つの部屋だと思ったんだが…

「…はずれ。布団敷いて無いじゃん」

琴姉が使っていない部屋には本当に何も無い。物置代わりなのか、複数の大きなダンボールがあるだけで布団など敷いていない。クローゼットの中も探してみたけど布団の姿かたちすらない。

 

この部屋でないとすると、他にこのマンションにある部屋は…

 

「ま、まさかね?」

 

当たり

昼間に少しだけ見せてもらった琴姉の部屋。電気がついていないので暗いが、その奥。ベッドの手前にもう一組布団が敷いてある。まさかここで寝ろ、と?

「…勘弁してよ。」

天然なのかなんなのか分からないけど、こりゃ琴姉相当のものだ。確かにこんな事を他の男にしたら、男は一瞬で「落ちる」。琴姉が狙ってるのか素なのか…

「多分、いや間違いなく素だろうね。」

折角敷いてくれたのは悪いけど、移動させてもらおうかな。幸い隣の部屋もしっかりと掃除してあるみたいだし。

「じゃおやすみなさい。」

誰に言うわけでもないけどさ。俺はずっと前から好きなんだぜ琴姉。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「じゃおやすみなさい。」

丁度私がごみ捨てと買い物から戻ってきたタイミングで雄ちゃんも寝ちゃったみたい。今は夜9時30分。まだ寝るには早い時間だけど…仕方ないよね。明日受験だし、疲れてるかもしれないし。

「うん、おやすみなさい」

わずかに聞こえた雄ちゃんの声に返事してリビングに荷物を置く。多分私に言ったんじゃなくて独り言なんだろうけどね。

 

明日は雄ちゃんも朝が早い。お弁当作ってあげなきゃいけないから私も早く寝なきゃね。

さっさとお風呂入って…

「はぁ…」

風呂場で体を洗う。よく考えてみるとさっきまでここで雄ちゃんが裸でいたのよね?雄ちゃんの裸なんて昔見たきりだけど、いまはもっと逞しいんだろうなぁ男の子だもんね。さっきは怒られちゃったし。

ふと私自身の体を見てみる。私も変わった。経験皆無とかはともかく、体つき自体は女っぽくなったと思う。まぁ…

「この胸は疲れるだけだけどね。」

元々遺伝なのか、胸ばかり大きくなるこの体はあまり好きじゃない。可愛い服とかは着れないし肩もこるし、何より男の人からの視線が嫌だ。

「雄ちゃんの視線は全然嫌じゃないんだけどね~」

ハァ、と再びのため息。仕方ないって言っては元も子もないんだけどね。

風呂から上がり、青色のパジャマに着替える。このパジャマは昔からのお気に入り、雄ちゃんから昔もらったものだ。疎遠になる前だからそれこそ中学のころから使ってると思う。

「身長が伸びてないって事なんだけどね」

女性ものの場合、胸の部分に合わせると裾が長くて、裾に合わせると胸が入らない。パジャマなのに胸が苦しいっていうのはやめて欲しい。だからずっとこの男物のパジャマを愛用してる。

それでも最近はボタンを一つ緩めないと厳しくなっちゃってるんだよね。

 

 

「失礼しま~すっと、雄ちゃんもう寝ちゃったかな?」

そっと部屋のドアを開けて入る。起こしちゃかわいそうだしね。

って

「…あれ?いない」

雄ちゃんの姿は無いし布団も無い。空き部屋に移動したのかな?そういえばさっきの「おやすみなさい」って挨拶も隣部屋のほうから聞こえたような気がする。隣部屋はそこまできれいに掃除しきれてなかったんだけどなぁ。

「大丈夫かしら?」

雄ちゃんはアレルギーとか鼻炎とかは持っていないはずだけど、そりゃ心配に決まってる。それに掃除してないとか恥ずかしずぎるし。

 

「おじゃましま~す。あ、いた。」

そっと空き部屋に入る。案の定雄ちゃんは布団に包まって寝ていた。

「可愛らしい寝息立てちゃって…こう見ると変わってないんだけどなぁ…」

ほんと、幸せそうな顔で寝てるよね。

「あ~ぁ、よだれ垂らしてる。」

可愛いし、格好いいし…昔は私の旦那さんになってくれるなんて言ってくれたのになぁ。

「この色男め。このこのっ!」

寝ている雄ちゃんの横に座ってちょんちょんと頬を突いてみる。勿論雄ちゃんを起こさない程度に。

「本当に大好きなんだよ、雄ちゃん」

 

・・・・・・・・・・・
次(嘘とほんとと意地っ張り14 )

Posted by RIN - 2012.02.15,Wed
 前(嘘とほんとと意地っ張り11 ) 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「いやぁさぁ、そんなに色っぽい顔されちゃもうコッチのほうが元気になっちゃうし。受験勉強が忙しくてさぁご無沙汰なんだよね。だめ?琴姉?」

 

コッチってどっちですか!?

ついつい私は雄ちゃんの、その、あそこ、を凝視してしまう。勿論ズボンに収まっているので「生」ではみえないけれど・・・って生って何よ生って。

それにあぁ、やっぱりご無沙汰?なんだ。それで彼女さんとも別れちゃったのかしら?

 

って、そこじゃない、そこじゃないよ琴音っ!

「な、何が「ダメ?」なのかなぁ?」

これ、私誘われてるんだよね?そうだよね?雄ちゃんに「そういう事」を誘われてるのよね?いいのかな?明日試験なのにいいのかな?性急過ぎない?いや、さっき私もおんなじこと考えたけどさ、幾らなんでも今からって。私のプランでは大学に入った段階で雄ちゃんに抱いてもらって、処女だったって言って、婚約して結納して、新婚旅行は国内のほうが良いな。豪華な寝台列車に乗って、スイートで北海道に・・・・ってまた妄想しちゃった!

 

-いいの?ほんとにいいの?良いに決まってる?

 

「そりゃ琴姉・・・うん、まぁ・・・うん。」

って、ドキドキして聞いてみた反応は微妙。

え、何それ?なんでそんなに微妙な反応なの?期待した私が馬鹿?馬鹿なのね?なんというか、雄ちゃんもなんというかびみょ~な顔しちゃってるし。

 

「・・・・」

「・・・・」

お互いお見合い状態。コチコチと時計が時を刻む音だけが聞こえてくる。

「じ、冗談だよ琴姉。だいたい琴姉と俺じゃ釣り合わないよ。」

釣り合わない?うん、確かに私みたいな処女と雄ちゃんみたいに経験豊富な男の子じゃ釣り合わないよね。なんだか雄ちゃんの言葉で私達の時間が動き出したような気がした。

 

「あ、あはは、うん。そ、そうなんだ。…って何の話してるのかしらね私達。さっさとお風呂入って寝ちゃいましょうか?明日早いんだしね。」

慌てて残ったご飯を食べて、二人分の食器をシンクにまで持っていく。何が「そうなんだ?」なんだろう?自分自身で意味が分からない。うわぁ~ん、恥ずかしくって雄ちゃんの顔見られないよぉ!

あ、でも何だかんだ言って雄ちゃんと普通に話せてる気がする。内容はともかくとして…やっぱり雄ちゃん良いなぁ、変わってない。好きだよ雄ちゃん。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ、あはは、うん。そ、そうなんだ。…って何の話してるのかしらね私達。さっさとお風呂入って寝ちゃいましょうか?明日早いんだしね。」

シタパタと琴姉がキッチンへと消える。あれは完全に引いてたよね。

「やっちまったぁ~」

一人残されて天を見上げる。くそっ、LEDの照明がまぶしいぜ。

 

あぁ呼べよ。呼びたかったらチキンと呼ぶがいい。無理。絶対無理。言ってるこっちが耐えられない。というか、空気に耐えられない。釣り合うわけないでしょうが。俺みたいな童貞高校生と経験豊富なお姉さまとじゃ…って、なんであんな会話になったんだろう。

「・・・」

あ、俺が発端か。内容はともかく、随分とお互い離れてた割にはうまく話せてるよね。

 

「ゆ、雄ちゃんは先にお風呂入っててぇ!もう沸かしてあるから~」

キッチンの向こうから琴姉の声が聞こえる。なんだか上ずって聞こえる気がするけど気のせいだろう。

ぐだぐだしてても仕方ない。切り替えよう明日は受験なんだ。さっさと風呂に入って寝てしまおう。

「じゃ先に入れさせてもらっちゃうよ~」

 

 

さて、風呂なわけだ。風呂である。琴姉がいつも使っているお風呂場である。

別段変わったところがあるわけでも無いが、どうしたってきょろきょろ見回してしまう。

きれいに整理されたお風呂セットに石鹸類。あぁ琴姉のいい匂いのもとはこのシャンプーか?んっ、これは剃刀?や、やっぱりこれは同棲してた男の…って女性用?あぁ無駄毛処理用の…

「やべっ…」

ここで琴姉毎日裸になって体を、大きな胸を…ダメだ想像しただけで…生々しい。

「・・・よし」

バシャリッ!

くぅ~冷水は効くねっ

 

チャポン

「ふふんふふんふんふん♪ちょっとだけよ♪」

いい気持ちだ。ついつい鼻歌も出てしまう。

それにしても長さんのギャグは完全に何度もリハーサルをかねて作られた物だったなんて…そりゃあ面白いに決まってるよね。なんで繰り返し同じことをやっているだけなのに飽きが来ないんだろう?逆に笑いを堪えることが出来なくなってくるし。当時PTAが見せたくない番組に入ってたと思うけど、それは純粋に面白すぎて勉強しなくなるからじゃないかって今の俺は思う。茶さんの「ちょっとだけよ」とかだって、笑いの問題だろう。少なくとも今のように性や暴力が過激すぎて…っていうのとは違うよね。

あぁドリフターズ全盛期のころに生まれたかった。あ、でもそうすると琴姉とは会えない訳で…まぁ結局今も琴姉とは微妙な関係なわけで…なんか思考が負のループになってしまっている気がする。

「だめだこりゃ!」

ザバリと湯から上がる。あぁ長さん、不甲斐ない俺を天国から見守ってくれよ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「だめだこりゃ!」

 

「えっ何が?」

つい聞き返してしまう。なにがダメなのかしら?そう、私は今脱衣所にいる。

雄ちゃんはお風呂に入ったのに、肝心の着替えを脱衣所に持ってきてなかった。そういうちょっと抜けてるところは昔から変わらないわよね。

雄ちゃんがベッドの横にもう一つ寝床を作ってから、着替えのシャツと、その…パ、パンツを持って脱衣所に入る。けしてパンツを抱きしめたり、つい、ついよ?クンクンと匂いを嗅いでなんかいない。いないったらいない。

 

「はいぃ!?えっ、琴姉そこにいるの?」

「え?いるよ?」

慌てた雄ちゃんの声。何をそんなに慌てているのかしら?ちゃんとお風呂も掃除しておいたし。変なところなんて無いわよね?リンスでも無くなってたかな?

「…あのさぁ、久しぶりに会ってこんなこと言うのも何なんだけどさ、琴姉警戒心無さ過ぎ。一応年頃でヤりたい盛りの男が裸一丁で、擦りガラス越しにいるんだよ?少しは気をつけてよ」

 

え、あっ…そうか。そうよね。
雄ちゃんも、外見とかはイメージとそんなに違ってなかったから、なんだか昔に戻ったみたいで安心してて…つい忘れちゃってたけど、雄ちゃんもそうだもんね。男の子だもんね。

「あ、うん、ごめんなさい。つい問題無いかなぁ…って」

他の男の人とは絶対にこんな事出来ないけど、雄ちゃんだったらぜんぜん問題ないと思う。弟みたいな存在だから?ううん、私が雄ちゃんの事が好きだからかなぁ。雄ちゃんの気持ちを考えていなかったのはよくなかったと思うけど。

次( 嘘とほんとと意地っ張り13

 
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